僕たちはずっと、ずっとこの世界にいた。
でも、その日、僕たちは「世界の地図」を手に入れた。
僕たちの祖先は、星を探し、星を辿り、この地に辿り着いた。
僕たちにもこの地図があれば、ここじゃないどこかへ行けるかもしれない。
でもこの世界の「空」は閉じられていて、光るのはキラキラのガラスだけ。
あれが、星なのか、それとも……僕たちにはわからなかった。
そのキラキラは、妹の懐中時計に捕まえてある星屑に似ていた。
お兄さま、急がなくてもよろしくてよ。
わたくしたちには時間なんていくらでもあるの。
見たことのない星、それを閉じ込めた懐中時計で、僕らふたりは永遠の時を歩く。
わたくしたちは時間とは無縁のところにある。だから、永遠に「ここではない、どこか」を探す旅を続けられるんですもの。
でも、いつかお兄さまと二人で星の瞬く「空」のもとに辿り着ければ……それ以上に嬉しい事はありませんわ。
今日も、この世界の出口を見つけることは出来なかった。
時ばかりが静かに過ぎる。
「星屑」を詰めた懐中時計の針だけが、都合のいいように立ち止まってくれる。
この世界にも夜があるの、不思議だと思わない?
妹の声に僕は苦笑した。
それより、朝が来ないことを不思議に思うべきだよ。
お兄さま、「ここではない、どこか」の話、今日もしてくれる?
もちろん。僕も見たことのない世界だけどね。
今回の写真で使わせて頂いたのは、先だって深海迷宮様で70000カウントプレゼントとして頂いた星座早見盤です。
すごく繊細で素敵なものでした。ありがとうございました。
拍手頂けた方もどうもありがとうございます、以下にお返事があります。
・10/28 eさん:コメント有難う、最近はあんまり重ねたくない年齢ですねw
今年は撮る姿勢が大きく変わった一年でした、来年に向けてがんばっていきます!
関東に遊びに来るときには連絡ちょうだいね(∩´∀`)∩