目も眩むほどに白く、明るく、そして孤独な少女。
ただひとり、白い牢獄に囚われている。
永久に少女のままであることを望まれた彼女。
「何が見えるの?」
きっと言葉さえ、失ってしまったあとに。
ただ、そこには光だけが満たされていた。
ただしその光は、希望の色ではなかった。
水槽に閉じ込められた魚に与えられる水のような。
彼女にとってその光はそんな存在だった。
遥か上を見上げれば、水面が見えることを知っていた。
上に手をのばすことさえ知らずに。
踊ることや歌うことも知らない。
肌に触れる白い波のように、光は彼女を包んだ。
自分以外のぬくもりを知ることはない。
なぜここにいるのか、彼女は知らない。
誰も知らない、誰も知らない、不思議な水槽。
光の満ちた、不思議な水槽。
ただ、彼女は少女であった。