先日、そろそろ中判を一旦の節目にしようと考えました。
そこで、これまでのブローニーフィルムを一気にスキャンして高画素データ化して一旦デジタルに注力しようと考え、過去に書いた記事を読みかえしたら、話題にしていた機種がすでに廃盤になっており(2011年2月の記事ですから仕方ない……)、新たにブローニーフィルム対応スキャナについて調べなおしました。
簡単にまとめましたので、宜しければご覧になっていってください。
●ブローニーフィルム対応スキャナまとめ●
1:ブローニーフィルム対応フラットベッドスキャナ
―1-1:GT-X970
―1-2:GT-X820
―1-3:ES-10000G
―1-4:CanoScan 9000F
2:ブローニーフィルム対応フィルムスキャナ
―2-1:PrimeFilm 120
―2-2:OpticFilm 120
その他に「これもみつけたよ〜」という方いらしたらご報告頂ければ追加します。見落としがあるかもしれないです。
●ブローニーフィルム対応フラットベッドスキャナ●
2012/11/29時点での現行品のみ、最新ラインナップ
GT-X970(エプソン 発売:2007年9月6日)
ブローニーフィルムが二列で読めるキャリアがついている、家庭向けフラットベッドスキャナの最上位機種。
私が使用しているGT-X770と同時発売でしたが、今も現役機種です。頑張ってるね!
高画素で読み込むとすんごくスキャン時間がかかるので、キャリアが二列なのはいいなあ……と思う。ただ、キャリアにフィルムをセットして仮読み込みしたあと、挟み込みのズレとか入った埃を確認してブロアーして修正して読み込み直したりする手間を考えると、二列になると二倍の速度で読み込めるとは言えないので、難しいところ。
フラットベッドスキャナのブローニーフィルム用フィルムキャリアは、様々なアスペクト比――6*6とか6*45とか6*7とか――やコマ間の違い――ロールフィルムなので始まりと終わりのフィルム送り幅が変わってくるし、機種によっても微差が出る――に対応するため横の仕切りがないんですよね。
周囲ぐるりと押さえる感じになってるのですが、真ん中がたわむ。フォーカスがずれる。
そこで、そういった問題に対応するような海外のフィルムキャリアがあるということを知ったのでご紹介しておきます。
海外製で敷居が高いですが、GT-X970用はV750及びV750-M(海外の型番)となるようです。
アンチニュートンガラスを装着することでフィルムの平面性を向上させたりもできるようです。
また、GT-X970について発売当初に細かいレビューを行なっている記事があったのでリンクをはっておきます。
ネガとポジでは色の出方が違うこと、モノクロフィルムのスキャン結果などもわかりやすくまとまっているようですので、ご購入をお考えの方は見てみるといいかもしれません。
GT-X820(エプソン 発売:2009年9月10日)
エプソン現役家庭向けフラットベッドスキャナでブローニーフィルム対応のもので最も廉価なタイプ。フィルムキャリアが一列のバージョンです。
私が使っているGT-X770の後継機種みたいな感じです。発売は上位機種のGT-X970より最近です。
エプソンのスキャナ全体から見ると中級機種になりますが、それでも十分なスペックを持っていますね。手元に溜まっているフィルムの量から考え、費用対効果で、二列のキャリアをとるか、値段を取るかを考えると選択肢に十分入る機種です。
白色LEDを使っているのでウォームアップのために時間を取られるという従来の不満もだいぶ解消されているようです。
ASCII.jpに2012年2月と比較的最近に上がっているレポがあったのでリンクしておきます。
ES-10000G(エプソン 発売:2004年3月30日)
A3までスキャンできるタイプ。今回ご紹介する中では最も高額。そしてフィルムをスキャンする場合はオプション品の透過原稿ユニットが別売り(Amazonリンクの右側)ですのでご注意。
本体もユニットもかなり値が張りますが、レントゲンフィルムなど大型フィルムも読み込めるため、そういったフィルムをお持ちの方にとってはかなりの優れものとなるでしょう。オートフォーカスが賢いとのレビューを散見します。
ただ、スペックが高すぎて、フルスペックで読み込むと12億画素で、1画像7GB超えらしいです。 凄まじい。
ちなみに標準ソフト「EPSON SCAN」では6.3億画素までしか対応していないので、フルスペックで読み込む場合は別のソフトが必要になります。
となると、ある程度抑えた画質で読み込む必要がありますね。
業務用を想定しているのか、全体的に手を出しづらい機種ですね。
……ここまで、見事にエプソンオンリーです。
ブローニーフィルム対応フラットベッドスキャナの未来は、エプソンの肩にかかっている! と言っても過言ではない感じ……? とここで対抗馬のキヤノン機種です。
CanoScan 9000F(キヤノン 発売:2010年7月8日)
キヤノンは、スキャナのラインナップ数を抑えていることもあって、この一機種のみがブローニーフィルム対応です。
白色LED内蔵で、スペック的にはエプソンのものに見劣りしません。キャリアは一列です。
カメラがキヤノンだからキヤノンがいいなあという方も多いようです。
この機種に関して、キヤノンが「CanoScan Bible―めざせ、フィルム・紙焼きスキャンの達人―」というコンテンツを置いていますので、リンクしておきます。
残念ながらWebにおけるブローニーフィルムスキャン結果の評価的にはエプソンのGT-X970のほうがいいという感じのレビューが散見されます。
ちょうど9000FとGT-X970とNikonの9000ED(ブローニーフィルム専用スキャナ、販売終了)の比較をしていらっしゃるサイトを拝見しましたので、リンクしておきます。モノクロフィルムのページにリンクしていますが、その他のフィルム、本体のサイズなど多くの比較がなされており、とても参考になるページです。
当然ですがフィルム専用スキャナである9000EDの画質は飛び抜けている印象がありますね。
このかたのレビューと実際のスキャン結果を拝見するに、9000FはGT-X970よりもコンパクトであるということが大きな利点ですが、スキャン結果は個人的にGT-X970のほうが好ましく思いました。
●ブローニーフィルム対応フィルムスキャナ●
2012/11/29時点での現行品のみ、最新ラインナップ
PrimeFilm 120(PacificImage(台湾) 発売:2011年6月)
専用トレイを使用するブローニーフィルム対応フィルムスキャナ。
輸入会社の直営サイトから買うとAmazonより安いです。
手が届く値段であることは、後に紹介するOpticFilm 120と比較しても大きなアドバンテージ。購入が現実的になりますね。
正直ネット上を見ていても情報が少なすぎて実像がつかめない機種。
英語のレビューを翻訳してご紹介しようと思ったんですが、「情報求む!」「情報上がってくるといいね」みたいなのしか出会えなかったという悲しさ……。
Prime Film 120についてのデジカメWatchの記事が上がっていたのでリンクしておきます。
OpticFilm 120(Plustek(米国) 発売:未定)
ブローニーフィルム対応フィルムスキャナは現状ではPrimeFilm 120しかネット上での確実な発売情報を得られなかったんですが、このOpticFilm 120は海外ですでに発売されており、日本向けに発売が決定している商品。
関係者のFBでは、NikonのSUPER COOLSCAN 9000ED以上の画質が目標、値段は3,000米ドル以下という書き込みがあったようです。
同じ会社から135フィルム用スキャナはちゃんと発売されており、アメリカでは10月に発送が開始されたとのこと、発売を待っている状態ですかね。
これが発売されると、現時点で新品が手に入る最も高機能なブローニーフィルム対応フィルムスキャナとなることは間違いないようです。が、値段も9000EDクラスですね。ぐぬぬ……高い……。
●終わりに●
最強のブローニーフィルムスキャナはNikonのSUPER COOLSCAN 9000 EDではないかと考えていたのですが、海外製品がちょこちょこ出てきているなか、サポート終了のことを考えると中古を探す手も止まりつつあります。
個人的に、今後買い足すとしたらOpticFilm 120の追加情報待ちかな。次点でキャリア二列のGT-X970。
フラットベッドスキャナは今のGT-X770で問題なく使えているのですが、フィルムをキャリアにはめるところで時間がかかるんですよね。
フィルム専用スキャナのトレイ式を使うことでどの程度スキャンを簡略化できるのか、また画質は国産のエプソンやNikonに対抗できるものなのか? 気になります。
135フィルムのトレイ式スキャナくらい簡略化できればかなり速くなるなあ……。
●関連記事●
「ブローニー(中判)のためのフィルムスキャナ – TCS-566とScanBit FS-521など」:2011年2月にフィルムスキャナについて書いた記事。
当時出たばかりのスキャナについてとか書いてるんですが、残念ながら廃盤になったりしてます。
▼今回ご紹介したスキャナまとめ▼